前回ご紹介した『うさこちゃんとどうぶつえん』に続き、うさこちゃんとお父さんのふたりきりのおでかけのお話です。動物園には汽車ででかけたふたりですが、海へはくるま(荷車)で出かけます。
「よろしい。 では くるまに おのり。 とうさんが ひいていってやろう。そうすれば おまえも くたびれないで はやく うみに つけるからね」
お父さんはうさこちゃんを乗せたくるまをひいて、
砂丘のむこうの海岸にたどりつきます。
「ああ はやかった らくだった。 とうさんは うまみたいに ちからもち」
描かれてはいませんが、この台詞を言ったときのうさこちゃん。
きっと誇らしくお父さんを見あげていたと思うのです。
海についたうさこちゃんは、ひとりで水泳ぱんつをはきます。
お父さんがのってもつぶれない砂山づくりに挑戦したり、貝をひろったり、
海にはいったりしてたくさんたくさん遊びます。
「でも あたし まだ くたびれない。 もっと もっと いましょうよ!」
帰る時間がきて、うさこちゃんはもっと遊びたいと、
ちょっとだけ駄々をこねたりしますが・・・。
ほらね、帰りのくるまのなかではぐっすり眠っています。
きっと、こんなうさこちゃんをみこして、お父さんはくるまで海まできたんですね。
うさこちゃんの作品には、母親とは異なる男親の目線で、子どもを見つめるお父さん姿や、子どもからみて頼もしいお父さん像が、ふんだんに盛り込まれています。お父さんの理想のお父さん像とでもいいましょうか。これは3人のお子さんのお父さんである作者ブルーナ氏のさりげない自己アピールのようにも思えて、なんだか微笑ましい気持ちになります。ブルーナ氏自身の中にある「父親であること」の喜びと誇り。それらが、うさこちゃんの素敵なお父さんをこの世に誕生させたのではないでしょうか?