茶色のおなかがうらやましいうさこちゃん

  • うさこちゃんとにーなちゃん(2010)
  • ディック・ブルーナ 文・絵
  • まつおかきょうこ 訳
  • 定価735円(税込)

ある日、うさこちゃんのところに友だちのにーなから手紙が届きます。
「わたし ひこうきに のって あなたに あいにいくわ!」
にーなは、遠い外国に住んでいるのです。先に紹介した『うさこちゃんおとまりにいく』では、友だちの家にひとりでお泊まりをしたうさこちゃん。
今度は、どうやら友だちが、うさこちゃんの家に遊びにくるようです。それも外国から、飛行機に乗って!

にーながやってくる日、お父さん、お母さん、そしてうさこちゃんは、
一家でにーなを飛行場に迎えにいきます。
一家総出なところから、にーながとっても歓迎されていることが伝わってきます。
(余談ですが、ふわふわさんの愛車は、オープンカーだったのですね)
おうちについた、うさこちゃんとにーなは、大きなマグカップでたっぷりのお茶とクッキーを食べます。それから、ボール遊びに、おいかけっこ…。
お気づきでしょうか?『うさこちゃんおとまりにいく』では、見分けにくく描かれていたうさこちゃんと友だち。この作品では、どちらがうさこちゃんで、どちらがにーなかが一目瞭然。
うさこちゃんは言います。
「あなたの いろ、 とても きれいね。 すばらしい ちゃいろね。」
夜になって、パジャマに着かえるときにも、うさこちゃんは言います。
「わたしの おなかも しろじゃなくて ちゃいろだったら よかったのに。」

にーなちゃんの茶色は、人種を表現していて、そこにはブルーナさんのメッセージがあると言う人もいます。確かにそういう面もあるのかなあと考えました。でも、きっと人種とか自分と異なるものに対しての敬意とか、そんな大それたメッセージではなく、もっと素朴な思いが込められているように思うのです。

子どもは成長するにつれ、自分以外の他人に興味や関心をいだきはじめること。それは、自分との違いや同じところを発見することにつがっていくこと。そして、自分と違うところをうらやましく思ったり、同じであることを嬉しく思ったり。そんな、他人との関係性の一歩を、うさこちゃんがふみ出したことを伝えたかったのではないかと…。そう考えると、友だちと一見、見分けがつかなく描かれている『うさこちゃんおとまりにいく』のうさこちゃんは、この一歩をまだふみ出していない、幼いうさこちゃんだったのかもしれません。

話がずいぶんそれてしまいました。あらあら、うさこちゃんとにーな、
眠くなってしまってみたいですね。
ずいぶんたくさん遊びましたからね。
「あしたも いっしょに あそぼうね。 たのしい ゆめが まってます。」