うさこちゃんの勇気

  • うさこちゃんとたれみみくん(2008)
  • ディック・ブルーナ 文・絵
  • まつおかきょうこ 訳
  • 定価735円(税込)
うさこちゃんのクラスに、転校生の男の子がやってくることになりました。
転校生がやってくる日、意味もなくそわそわしてしまった記憶はありませんか?
ほらほら、うさこちゃんたちも同じみたいですよ。
みんなの好奇心いっぱいの顔をみてください。
「どんなこでしょう? みんな とても しりたがりました。」
でもこの男の子、みんなと少しだけ違うことがありました。
右の耳が少しだけたれているのです。
クラスのみんなは、男の子のことを「たれみみくん」と呼びました。
でも、なんだかたれみみくんは元気がありません。それは…。
「それは ほんとうの なまえでは ありません。 ほんとうの なまえは だーんです。」

ある日、うさこちゃんは思い切ってだーんに、「たれみみくん」と呼ばれることが嫌じゃないのかをたずねます。
「うん いやだよ」 そう答えただーんが、 さらに続けます。
「でも、 ぼく もう なれているから。それに みんなが ぼくのことを もっと よく しったら わかるんじゃないかな。」

それを聞いたうさこちゃんは、その夜、一生懸命、一生懸命考えます。
(こんなに悩んでいるうさこちゃんの絵、はじめてではないでしょうか?)
そして、大きな決心をひとつします。
「あした くらすの みんなに いおう。 たれみみって よぶのは よくないって。」

次の日、うさこちゃんはみんなに言います。「これからは だーんのことを たれみみくんって よばないようにしようよ。」
うさこちゃんにとって、すごい勇気だったのではなでしょうか?
そこにだーんが、やってきます。さてさて、みんなはどうしたでしょうか?

「おはよう だーん!」
みんなは、大きな声でだーんにあいさつ。
もう、だーんは「たれみみくん」ではありません。
描かれてはいませんが、このときのだーんの顔を想像してみてください。
きっと「たれみみくん」と呼ばれていたときとは、
全く違う表情をしていると思うのです。
よかったね、だーん。
そして、よかったね、うさこちゃん。